
ラストジャンプは1m85。
「気持ちよく終わることができたと思います」
走り高跳びの日本記録保持者・鈴木徹(44歳)は、現役最後の跳躍をこう振り返った。
パラ陸上のデビュー戦は2000年の国内大会で1m74を跳び、同年開催されたシドニー・パラリンピックの日本代表が決まった。
パラリンピックにはシドニー、アテネ、北京、ロンドン、リオ、東京まで6大会に出場した。2016年に跳んだ2m02が日本記録となっている。
義足の走り高跳び選手の数は、世界的にみても多くはない。
鈴木が属しているT64(下腿義足)クラスの選手で、今シーズン(2024年1月~9月末現在)、世界パラ陸上連盟公認大会の走り高跳びに出場している選手は計4人。そのうち日本人は鈴木、一人だけだ。
鈴木は、パラ陸上選手の第一線を退くが、マスターズ陸上などの大会には出場し、走り高跳びを続ける。
「今までは、障害の勝負でしたけど、今度は年齢の勝負になりますね」
勝負するステージが変わることで、これまでとは違う選手たちと競いあうことになる。
自身の跳躍を追求する道は、続いている。
■鈴木徹(44歳、SMBC日興証券所属)
パラリンピックはシドニー(2000年)、アテネ(2004年)、北京(2008年)、ロンドン(2012年)、リオ(2016年)、東京(2021年)の6大会出場。東京パラリンピックの男子走り高跳び(T64)では4位。2024年のパリ・パラリンピックは選手としてではなく、跳躍のコーチとして帯同した。9月28日29日に高松市で開催されたジャパンパラ陸上競技大会で、パラ陸上選手のキャリアに区切りをつけた。
(取材・執筆:河原レイカ)
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