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ブラサカ男子が快進撃!アジア王者とパラリンピック切符獲得まで、あと2勝

  • paraspoofficial
  • 4月22日
  • 読了時間: 5分
初戦、日本はインドと対戦 ©︎Haruo.Wanibe/JBFA
初戦、日本はインドと対戦 ©︎Haruo.Wanibe/JBFA

 

4月19日からJR大阪駅前のグランフロント大阪「うめきた広場」(大阪市)で開催されているブラインドサッカー男子の「アジア選手権」で、日本男子が快進撃だ。21日には早々に、準決勝(24日)への進出を決めた。アジア王者を決める今大会は2028年のロサンゼルスパラリンピック出場権もかかった重要な大会だ。日本は21年ぶりのアジアの頂点と3度目のパラリンピック切符獲得まで「あと2勝」と迫っている。

 

今大会には8チームがエントリーし、2グループに分かれた1次リーグで総当たり戦上位2位に入ったチームが準決勝に進み、25日の決勝戦勝者にパラリンピックの切符が付与される。なお、事前の抽選により、グループ1には世界ランキング3位(*)の日本、同10位のイラン、同11位のインド、同32位のオーストラリアが入った。グループ2には同5位で前回優勝の中国、同7位のタイ、同17位の韓国、同24位のウズベキスタンとなっている。(*:世界ランキングはすべて、2026年1月時点)

 

大会直前に中川英治監督は、「前回の(パリ)パラリンピックは私たちにとって非常に悔しい結果(全敗8位)となった。その悔しさはパラリンピックの舞台で返したいと考えている。パラリンピックは世界で8チームしか出場できない狭き門。チーム一丸となって、必ず出場権を勝ち取ります」と意気込みを語っていた。

 


■インド、オーストラリア撃破で波に乗る日本


日本のエース 平林太一選手 ©︎Haruo.Wanibe/JBFA
日本のエース 平林太一選手 ©︎Haruo.Wanibe/JBFA



日本は19日の開幕戦でインドと対戦。開始から両チームとも気合の入った攻防を展開したが、前半10分、日本の川村怜が待望の先制弾。後半4分にはエース、平林太一が追加点をあげ、2-0で勝ち、白星発進した。

 

先制弾を放った川村キャプテンは、「初戦で緊張感もあったが、前半に1点欲しかったので、先制点が取れてよかった。平林くんが後半早々に取ってくれたので、だいぶ気持ちも楽になった」と熱戦を振り返った。

 

「うめきた広場」での男子の国際大会は3年目となるが、1日約15万人の往来があるエリアで、集客しやすい反面、防ぎようのないざわめきや独特な音の反響などがある。「音」が重要なブラインドサッカーにとって決して「好条件」ばかりとはいえない会場ではある。川村も、「3年目だが、なかなか慣れない。でも、(騒々しい環境は)パリ(パラリンピック)で、もっとすごい状況を経験している。声の出し方や伝え方も意識しながら、どんな状況でも適応して、ハードワークで勝ちきりたい」と意気込む。

 

貴重な追加ゴールを決めた平林も、「めちゃくちゃ緊張した」と振り返った。パラリンピック出場権がかかるアジア選手権への出場は自身2度目だが、今回は2024年のパリパラリンピック初出場を経験したことで、「パラリンピックへの気持ちは1回体験した分、より強くなってると感じている」と緊張感の要因を自己分析。そんな中で勝利を決定づけた追加点に、「なかなか点を取れない時間が続いたので、そこで取れたことでチームをすごく楽にできたんじゃないかなと思う。もっと得点したい」と今後のゴール量産を誓った。


オーストラリア戦は大勝   ©︎Haruo.Wanibe/JBFA
オーストラリア戦は大勝   ©︎Haruo.Wanibe/JBFA

つづく21日のオーストラリア戦では10-0と大勝し、自信を深めた日本。前半2分に高橋裕人がドリブル突破から先制すると、後藤将起が2連続でゴールを決め、前半6分で3-0とリードした。その後、交代で入った林健太が同11分に、先発の平林が同16分にそれぞれ加点し、前半を5-0で折り返す。後半も積極的にゴールを狙う日本は後半3分に川村が加点。同12分、13分に高橋が連続ゴールでハットトリックを達成。さらに同16分、19分に平林も2ゴールを加えてハットトリックを成し遂げ、日本が10-0で完勝した。

 

先制点でチームを勢いづけた高橋は大阪府の出身。「地元での得点はすごく気持ちよかった。この波を止めずに準決勝でも得点をバンバン取りたい」とさらなる活躍を誓った。

 

なお、日本は22日にイランと対戦予定だったが、大会開幕直前にイラン代表の不参加が決定し、競技規則に則って対戦予定の相手チームが不戦勝(6-0)となっていた。このため、日本は21日終了時点で3戦全勝、勝ち点9となり、グループ1を1位で通過。24日の準決勝進出が確定した。

 

中川監督は、「(イランと)試合をしたかった思いはあるが、準決勝を前に2日間のオフができ、コンディションをつくる意味ですごく良かった」と前向きにとらえた。

 

■負けられない戦いへ、覚悟新たに


前回覇者の中国は実力発揮 ©︎Haruo.Wanibe/JBFA
前回覇者の中国は実力発揮 ©︎Haruo.Wanibe/JBFA

 

一方、グループで2は前回覇者の中国がその実力を攻守にわたって発揮。タイ(1-0)、ウズベキスタン(5-0)、韓国(4-0)に3連勝し、グループ1位で準決勝(24日)へ駒を進めた。グループ1を勝ち点6の2位で抜けたインドと24日13時半から第1位試合で対戦する。また、タイが中国には惜敗したものの、韓国(2-0)、ウズベキスタンに勝利し、2勝1敗の勝ち点6を挙げグループ2位でベスト4入り。24日の準決勝第2試合(19時KO)で日本と対戦する。

 

タイに対して日本はこれまでの対戦成績(8勝2敗3引き分け)勝ち越しており、世界ランキングでも格下ではあるが、あなどれない。バンチャ・ムンペット(#8)、キッチコン・ボーディー(#9)らの攻撃力は高く、ベテラン守護神のポンチャ・カシコヌドムパイサンGKはここまで好セーブを連発し、失点は中国戦での1点のみだ。

 

また、決勝で顔を合わせる可能性の高い中国は前回優勝国で、パリパラリンピックでも5位。今大会もベテランと若手が融合したチームで実力を示している。エースのハイフー・リー(#8)や若きストライカー、リャン・ジョン(#7)をはじめ、攻撃陣の決定力は高く、組織的な守備も堅い。日本は過去の戦績(2勝13敗3引き分け)では分が悪いが、磨いてきたチーム力で勝利を目指す。

 

川村キャプテンは、「準決勝、決勝とさらに強度が上がって、まだまだ厳しい戦い続く。もっとたくさんの人が(応援に)来てくれて、声を聞かせてくれたら、僕たちもエネルギーをもらえる。中国やタイなど強豪国に勝ち切って、みんなで最後、喜びを分かち合いたい」と力を込めた。平林は「残り2試合、すべてを懸けて戦う」、泉健也GKも「全身全霊でゴールを守り抜く」と意気込むなど、チーム全員が気持ちを強く、決戦へと向かう。

 

なお、23日には5位決定戦(オーストラリアー韓国)が、24日には準決勝2試合、最終25日には決勝と3位決定戦が行われる。会場観戦の他、YouTubeでの全試合ライブ配信も実施されている。

 


(取材執筆:フリーライター星野恭子、写真提供:鰐部春雄/日本ブラインドサッカー協会)

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