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ブラサカ男子、アジア選手権決勝で中国に惜敗。パラリンピック切符は次のチャンスで目指す

  • paraspoofficial
  • 12 時間前
  • 読了時間: 6分

4月19日から大阪市のグランスタ大阪うめきた広場で開催されていた「IBSAブラインドサッカー男子アジア選手権 2026 in うめきた」は最終日の25日に決勝戦と3位決定戦が行われた。決勝戦に臨んだ日本は中国に0-1で惜しくも敗れ、準優勝で今大会を終えた。優勝チームに与えられる2028年ロサンゼルスパラリンピックへの出場権は逃したが、上位3チームが得られる来年開催の世界選手権(ブラジル)への出場権はつかんだ。敗戦の悔しさをバネに日本はさらにチーム強化を図り、ロスパラ切符獲得に再挑戦する。

 

なお、3位決定戦はタイがインドに4-1で勝利し、3位になった。大会MVPは中国のジャービン・ジャンが、ベストゴールキーパーも中国のファーチュー・シューが受賞。また、大会通算6ゴールを決めた日本の平林太一が得点王に輝いた。

 

■息詰まる熱戦。中国の壁を攻略しきれず

 




中国との決勝戦は1点を争う緊迫した好ゲームとなった。日本はキャプテン川村怜、齊藤悠希、後藤将起、平林、GK泉健也が先発。試合序盤から中国がボールを持つ時間が長く、日本ゴールに迫るシーンも少なくなかった。だが、中国選手の巧みなパス回しやドリブルでの揺さぶりにも、日本は全員が食らいつく。GK泉の好セービングもあり、前半は0-0で折り返した。

 

後半も同じ5人でスタートしたが、1分ほどで後藤が相手のファウルで負傷し、交代で高橋裕人が入った。ボールを持った中国はパス交換を繰り返し、日本の守備陣を翻弄。4分すぎ、最後にボールを得たジャンがドリブルで持ち込み、ほぼ正面10m付近から右足を振り抜く。繰り出されたループシュートはGK泉の頭上を抜いてネットを揺らし、中国が先制に成功。その後、治療を終えた後藤がピッチに戻り、日本も攻勢を強めたが、試合巧者の中国を攻めきれないまま、タイムアップのブザーが鳴った。

 

日本は21年ぶりのアジア王座奪還を目指したが、王者中国にあと一歩及ばず、最速でのロスパラ出場権獲得も逃した。だが、ロスへの道はまだ途絶えてはいない。試合後、選手たちはそれぞれ、今回の結果を受け止め、これからの目標を見据えることで必死に前を向いていた。

 

川村は、「非常に悔しい。自分たちの手の届くところにパラリンピックの出場権があったのでつかみ取りたかったが、残念な結果になってしまった。前半は相手に(ボールを)持たれる時間は多かったが、ある程度は狙い通りだった。いい流れで後半に挑んだが、アクシデントもあってメンバー交代があり、僕たちの守備がほころんだ。その一瞬の隙を突かれて失点してしまい、そこから苦しい流れになり、難しいゲームになってしまった」と失意を口にした。

 

ただし、「誰が悪いわけでなく、チームの実力。ミスをカバーしきれなかった結果が今日の結果。失点しても取り返せば、負けなかったはず。みんなの責任かなと思う。控えの選手も含めたチーム全員の底上げが必要だ」。持ち越しとなったロスパラ切符の獲得に向け、チームのさらなる進化を誓った。

 

攻守にわたって体を張ったプレーを見せた後藤は、負傷の治療のためベンチに下がっていた間に中国に先制された。だが、「チームスポーツなので、味方のミスはチームでしっかり取り返せばいい。だから、また(ピッチに)戻った時にはしっかり得点しようっていう気持ちだった」。ピッチ復帰後も走り回ったが、中国ゴールは遠かった。「技術のところで言うと、やっぱり中国の方が上だと感じるところはあった。日本の特徴であるハードワークは引き続き伸ばしていきつつ、中国に負けない技術レベルをつけたい。明日からまたイチからやり直して、来年の大会でしっかり(ロスパラの)出場権が取れるように頑張っていきたい」と言葉に力を込めた。

 

フィクソとして自陣前の守備を主に担った齋藤は、「チームが勝てるんであればどんなことでもやるっていう精神が僕には元々ある。後半早々に失点してしまったところが課題。中国は得点して少し余裕ができた分、リラックスしてボールを回せるようになり、僕たちはアグレッシブにいきづらくなってしまった」と失点を悔やんだ。

 

得点王のトロフィーを手に取材に応じた平林は、「非常に悔しいという気持ちしかない。得点王は自分の中では悔しさの象徴。準決勝までは毎試合、点を取れていたが、(決勝の)大一番でシュートを打ち切れず、取ることができなかったところに自分の無力さをすごく感じている。そういった意味で、得点は取れたが、こういう大事な場面で取れなかったという悔しさの証」と、複雑な胸中を明かした。

 

それでも、「今回応援に来てくださった方のためにも、次のパラリンピック(出場)はどうしても来年決めないといけないと、すごく思う」と自身を奮い立たせた平林。そのために、「当たり負けしない体も必要だし、シュートを崩されながらでも打ち切るという技術もしっかりと回数を重ねてやっていかなければならない」。エースとして今後の強化点を挙げた。

 

足元のボール操作やドリブルのスピード、パス回しの精度など中国の高い技術力に対し、日本も綿密なスカウティングで対策は立て、決戦に臨んでいたという。中川英治監督は、「(王者)中国を相手に、前半は結構ベストゲームだった。僕らの狙い通りに相手にボールを持たせたり、(日本に)カウンターのチャンスも何度かあった」とスカウティングの精度や選手の実行力への手応えも口にした。一方、失点シーンについては、「ほんの1mぐらい守備のずれがあって、そこをジャービンにやられた。彼は基本的に僕らのブロックの中に入って仕掛けてくる選手で、そこは選手とも(事前に)共有していたが、そこをやられたのは非常に悔しいし、シュートはめちゃめちゃゴラッソ(*)だったので、余計に悔しい」と唇をかんだ。(*:「素晴らしいゴール」を意味するスペイン語のスラング)

 

監督はまた、「(中国との)技術的なクオリティの差は歴然だった。そのクオリティに近づけるようなトレーニングを、これからもっともっとしていきたい。まずはチーム全員が同じ水準のプレーを達成して、そこから選手それぞれがプラスアルファの個性を出せるように、僕が責任を持って鍛え上げていきたい」と、チームの課題を見据え、決意を新たにした。

 

チャンスがある限り、チームで努力を尽くしてチャレンジを続けていく。

 

優勝した中国
優勝した中国

 

準優勝の日本
準優勝の日本




【IBSAブラインドサッカー男子アジア選手権 2026 in うめきた 大会最終順位】

優勝:中国

準優勝:日本

3位:タイ

4位:インド

5位:韓国

6位:オーストラリア

7位:ウズベキスタン

8位:イラン (不出場)

  (取材・執筆:フリーライター星野恭子、写真提供:鰐部春雄/日本ブラインドサッカー協会)

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