ブラサカ男子、「悲願」に大手! アジア選手権で決勝に進出
- paraspoofficial
- 8 時間前
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7チームが参戦し、4月19日に開幕した「ブラインドサッカー男子アジア選手権」は24日に準決勝2試合が行われ、第2試合に登場した日本はタイに2-0で勝利し、決勝進出を果たした。優勝すれば、21年ぶりとなる「アジア王者の称号」とともに、2028年の「ロサンゼルスパラリンピック出場権」もつかむことができる。2つの「悲願」成就まで、あと1勝だ。
ファイナルを目指す一戦はキックオフから激しい攻防となり、均衡状態が続いた。試合が動いたのは前半17分。相手ファウルで得たフリーキックから、ボールを持ったエース、平林太一がドリブルで相手ゴールに近づき、ゴール左寄り10m付近から右足を振り抜く。強烈なシュートはGKの左ネットを揺らし、先制に成功した。この後、タイの攻勢を好守備でしのぎ、前半はこのまま終了し、1-0で折り返した。



後半も追加点を狙う日本と1点が欲しいタイが激しい攻防を展開。タイに攻め込まれる場面もあったが、齋藤悠希らの体を張ったディフェンスやGK泉健也の好セーブもあり、失点は許さない。16分、序盤から闘志あふれるプレーを見せていた後藤将起がタイの選手に体当たりされて倒された。これで、タイのファウルが5つ目となり、日本が第2PK(*)得た。キッカーに指名された平林が右足を振り抜くと、低く鋭い弾道の一撃が今度はGKの右ネットに突き刺さり、2点目を奪った。残り4分間、日本は全員守備で粘り強く守り切り、2-0で勝利した。
平林は先制弾について、「ガイドの大室(龍大)コーチから、ちょっと右にずらしてから左に入っていってシュートと言われていた。しっかり頭の中でイメージを描けたし、それをしっかりと実行できた」と振り返った。また、PKは平林自身が、「PK職人と呼んでほしい」と話すほど、絶対の自信をもつ。「絶対に決めないといけないと、すごくこだわってやってきた。狙ったコースにしっかり威力のあるボールを蹴れた」と手応えを口にするとともに、「(チームメートが)繋いでくれたチャンスを自分が決め切ることができている」と仲間たちに感謝した。
中川英治監督は、「今日は(試合前に)、『ハードワークとチームワークだ』と話して選手たちを送り出したが、どっちもよくできたナイスゲームだったと思う」とチームを評価。2得点の平林はもちろん、「他の選手が守備を頑張ったり、支えてくれた」と全選手を称えた。さらに、事前のスカウティングによってコーチ陣がタイの攻撃を分析し対策ができていたことを振り返り、「準備もしっかりできた。選手、スタッフを含めたチーム一丸の勝利だった」とうなずいた。
実は、日本のアジア選手権決勝進出は2013年大会ぶりとなる。前回の2022年大会では、日本は準決勝でタイと対戦し、スコアレスからのPK戦を1-2で落とし、決勝進出を阻まれていた。(3位決定戦に回った日本はイランに勝利して3位だった)。今回、タイを撃破しての決勝進出により、日本は4年前のリベンジも果たしたかっこうだ。
攻守にわたって奮闘した川村怜キャプテンは、4年前の敗戦を、「僕のブラインドサッカー人生で一番悔しかった試合。2度とあんな思いはしたくない、他の選手たちにあんな思いはさせたくないという強い気持ちで今日は挑んだ」と話し、「立ち上がりにバタついた部分はあったが、そこから立て直して、自分たちのいい守備から、いいリズムに乗って攻撃につなげられた。流れは非常にいい形で持っていけた」と手応えを口にした。
なお、決勝戦の相手は、第1試合でインドを3-0で下した中国に決まった。前回優勝のアジア王者であり、2024年のパリパラリンピックでも5位に入っている強豪だ。今大会もここまで13得点無失点で、強さを発揮している。スピードもシュート精度も高いタレントがそろう王者の攻撃を日本がどう封じ、堅い守備の壁をどうこじ開けるかがカギになる。
中川監督は、「中国はほんとに強いチーム。過去を考えると、いろいろなところで僕らの前に立ちはだかってきた。ただ僕らも、2024年のワールドグランプリでも勝っているし、準備もしてきた。中国を倒して優勝するのが僕らの1つの目標。明日もまた、ハードワークして、チームワークで勝ちたい」と好ゲームを誓った。
川村は、「あと1つ絶対に勝つという強い気持ちを持って、いい準備したい。命がけで戦いたい」と力を込めれば、平林も、「日本でアジアチャンピオンになり、パラリンピック出場を決められるかもしれないチャンスだと思うと、正直、めちゃくちゃゾクゾクしている。死んでも勝つという覚悟を強く持って臨みたい」と意気込んだ。
運命の決勝戦は25日の17時にキックオフの予定だ。会場での観戦のほか、試合の模様はYouTubeによる実況ライブ配信も予定されている。
(*:ペナルティエリア内で受けたファウルで得る通常のPKは6mの位置からシュートするが、ファウル累積によって得たPKは第2PKと呼ばれ、8mの位置からシュートする)
(取材・執筆:フリーライター星野恭子、写真提供:鰐部春雄/日本ブラインドサッカー協会)



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