【東京デフリンピック】 陸上で予選突破選手続々!決戦へ、それぞれの意気込み
- paraspoofficial
- 4 日前
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東京2025デフリンピックは大会8日目となった11月22日、陸上競技では複数種目で予選や準決勝が行われ、多くの日本選手が決勝進出に挑んだ。
女子800m準決勝では日本記録保持者(2分14秒37)の岡田美緒が2分16秒48をマークし、2組1着で決勝に駒を進めた。1周目からトップに立ち、そのままフィニッシュ。「スタートして100mを走った感触や周囲の様子をみて、自分から行こうと決めて前に出た」
この日は肩まであった髪を、「気持ちの切り替えも込めて切った」と軽やかなショートヘアで駆け抜けた。「スタート前にスタンド一面のサインエールが見えて本当に嬉しく、力になった」と感謝。23日の決勝では、「自己ベストとメダルを目指したい。できれば、きれいな色がほしい。自分ができることすべてを出し切りたい」。
男子200m準決勝には日本から3選手が出場。400m金に輝いている山田真樹が22秒05をマークし1組1着で、100m銅の佐々木琢磨は2組3着だったが、22秒29のタイムで拾われ、23日の決勝に駒を進めた。佐々木は、「ホッとしている。真樹くんと一緒に表彰台に立ちたいという思いは強い。(そのチャンスが)目の前にあるので、頑張りたい」と意気込んだ。

男子800mでも日本の3選手が準決勝に出場し、日本デフ記録(1分53秒11)を持つ樋口光盛がスタートから積極的に飛ばし、1分55秒71で3組1着となり、決勝進出を決めた。「今日は80%くらいの力で走った。決勝(23日)はもっとハイペースになると思うので食らいつきたい。今日と同じようなレースをして、日本記録更新とメダル獲得を狙いたい」と闘志をみなぎらせた。
惜しくも決勝進出を逃した長内智は、「レースの途中で脚が攣ってしまい、自分の力を最大には発揮できなかったが、これも攻めた結果。後悔はない。樋口くんが(決勝に)残ってくれたので、僕の思いも背負って走ってもらいたい」とエールを送った。中村大地は、「1周目はついて行けたが、ラップが上がった2周目はついていけなかった。すごく悔しい。もっと進化して、次のデフリンピックでは決勝進出、そしてメダルを目指したい」と前を向いた。

男子円盤投げの湯上剛輝(トヨタ自動車)は予選Bに出場し、1投目に55m41をマークして予選通過標準記録(50m)を越えたことで決勝進出を決めた。今年4月に聴者も含めた日本新記録(64m48)を樹立し、自身のもつ世界デフ記録も塗りかえている。「今日は記録的にはよくなかったが、決勝に向けていい感覚、動きのイメージができた」とうなずいた。
9月には東京世界陸上にも出場し、「今年は長いシーズンだなと思いつつ、デフリンピックで金メダルを獲るために練習を積んできた。その成果を決勝の舞台で出せたらいいなと思う」と力を込めた。24日の決勝では、「世界記録超えも目指して金メダルに挑む。僕が挑戦している姿をたくさんの人に見ていただいて、何かを感じてもらえたら嬉しい」と思い描いた。
男子4x400mリレー予選で日本は3分20秒01をマークして1組2位の着順で決勝に進出した。1走の小原奏楽が2番手辺りでつなぐと、200m準決勝を約4時間前に走ったばかりの2走、足立で3位に。3走は17日の混合4x400mリレーで日本新6位入賞に貢献した荒谷太智で、着順で突破できる3位を確実に守る。4走は約3時間前に400mハードル決勝で5位入賞を果たしていた村田悠祐だったが、ラストに2位にあげる力走でフィニッシュ。「疲れはあったが、応援が多かったので、いい結果を届けたいと最後まで走り抜いた」と気合の走りを見せた。
リレーメンバーは全6人がエントリーされているが、この日は約3週間前の記録会で走った4人が選ばれ、記録会よりも3秒近くタイムを短縮した。決勝でメンバーの入れ替えもありうるが、足立は、「メンバー皆の目標は世界記録3分12秒64の更新と金メダルの2つ」と前を見据え、小原も「最低の目標が金、最高の目標が世界新というイメージでやっている」と意気込む。注目の決勝は24日、トラック種目の今大会最終レースとして予定されている。
(フリーライター:星野恭子)



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