【東京デフリンピック】 陸上男子ハンマー投で日本勢が表彰台独占!
- paraspoofficial
- 55 分前
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大会6日目の11月20日、陸上の男子ハンマー投決勝が大井ふ頭中央海浜公園陸上競技場で行われ、日本の3選手が表彰台独占の快挙を達成した。
21歳のデフリンピック初出場、遠山莉生(筑波大)が60m19で金メダル、40歳で現世界記録ホルダー(63m71)の森本真敏(日神不動産)が56m04で銀、前回覇者の39歳、石田考正(EYストラテジーアンドコンサルティング)が55m51で銅と、日本がメダルを独占した。
決勝は11人がエントリーしていたが、出場辞退などで5人での戦いとなった。遠山は初陣ながら、今年5月の日本選手権王者の実力を発揮。1投目で56m86を投げてトップに立つと3投目に自身初の大台越えとなる60m19をマーク。自己ベストを1m15も更新するビッグスローに、ガッツポーズで喜びを表した。このままリードを保って初優勝を飾った。
「素直に嬉しい。とにかく自己ベストを出すことができて嬉しい。世界記録も狙っていたので、ちょっと悔しいが、ひとまず(目標の)最低ラインはできた」とうなずいた遠山。一週間前に腰を痛めたというが、「治療の先生や周囲の応援で、むしろ(故障前よりも)調子が良くなった」と感謝した。
実は、「表彰台独占」は昨年7月のデフ世界選手権(台湾)で先に実現していた。遠山は、「台湾では独占しても3位という悔しい立ち位置だった。今日は独占したうえで1位。すごく嬉しい」と笑顔を見せた。
遠山はデフリンピックを日本で開催することについて、「共生社会の実現という意義がある。かつ、デフアスリートがちゃんと活躍することで、さらにメディアの注目度を相乗効果で上げることができると思う。すごく大きな意義のある大会になったのかな」と選手としての思いも口にした。
大会連覇をねらった石田は1投目で55m51を投げたが、森本が4投目に56m04をマークし、石田を抜いて2位に浮上。森本が2大会連続の銀、石田が銅メダルとなった。
これで森本のデフリンピックで獲得したメダルは通算4個になった。「今日の天気と同じように、とてもいい気持ち。3年ぶりに56mを投げた。3年間苦しい思いをしてきたが、今日は納得する投てきができた。(競技歴)25年間、考え工夫してきて、今日の一投になった」と白い歯を見せた。
森本は遠山がハンマー投げを始めるきっかけとなった人物。遠山の活躍には、「ちょっと悔しい。負けたくないですから」と冗談めかしたが、「60m越えは難しい。同じ日本人として誇りに思う」と称えた。
連覇を狙った石田は銅に終わり、「悔しい気持ちもある」とまず一言。この日の目標は、「世界新記録で金メダル」で、「ハンマーを持った瞬間、いけるなと思ったが、届かなかった。でも、挑戦はまだ終わっていない」と前を向いた。
表彰台独占については、「すごく嬉しい。感謝以外にない。今日は遠山さんが1位。おめでとうと言いたい」と話した。
大先輩二人から称えられた遠山に記者から、「ハンマー投げのエースになれたという自覚は?」と質問が投げかけられたが、「ないです」と即答。「ここまで来られたのは二人のおかげ。経験値もあるし、まだまだ勝てません」
大舞台での日本人三つ巴の戦いは、見ごたえある一戦となった。

(フリーライター:星野恭子)



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