【ミラノ・コルティナ冬季パラ】クロスカントリー リレー「思いをつないだ結果、価値ある入賞」
- paraspoofficial
- 19 時間前
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クロスカントリースキー/テーゼロ
リレー2種目で、それぞれ入賞
「思いをつないだ結果。価値ある入賞」
3月14日は2.5kmx4リレーの2種目が行われた。日本から7選手が出場し、オープンリレーで7位に、ミックスリレーで8位に入賞した。
リレー種目は国ごとにさまざまな障害クラスの選手が2〜4名でチームを組み、タイムを競う。ミックスリレーは男女混合、オープンリレーは組み合わせが自由。ただし、4走者の係数の合計%が定められ、その合計%内でメンバーを組まなければならない。
ミックスリレーでは日本は1走を男子座位の源貴晴(アムジェン)が7位でつなぎ、2走の同立位、岩本啓吾(土屋ホーム)で8位となったが、3走の女子立位、阿部友里香(日立ソリューションズ)、アンカーの同、岩本美歌(北海道エネルギーパラスキーチーム/青森大学)が順位をキープし、27分29秒2で、8位入賞を果たした。
1走:源
目標だった8位入賞ができたが、僕以外の3人のおかげで達成できて嬉しい。感謝している。
2走:岩本(啓)
源さんが7位で帰ってきて、前の選手が見えてたので、追いかけていこうとしてした。シットの男子が速くて抜かれたが、なんとか入賞圏内とかで帰ってきて、女子の阿部選手、岩本選手が粘ってくれた。3人のおかげで入賞できたので、ありがたい。
3走:阿部
みんなで8位に入賞しようとレース挑んだ。岩本選手が入賞圏内でタッチしてくれたので、少しでも前に行こう、そして、後ろからくる速い男子に抜かれないように走ることを目標にした。2.5kmは一番きついレースだと思っているが、しっかり走り切れたので良かったし、みんなで8位入賞できて本当に良かった。
4走:岩本(美)
8位入賞は私1人の力では絶対にできなかった。源選手が最初にいい流れを作ってくれたし、阿部選手も貯金を作ってくれたので、けっこう緊張していたが、しっかり走ることができた。
10㎞クラシックですでに入賞していた阿部(4位)と岩本(美/7位)とで、まだ入賞のない源と岩本(啓)を「手ぶらで返すわけにはいかないと話していた」と明かすなど、互いを思うチーム力が光った入賞だった。
(取材:フリーライター星野恭子)
(写真提供:日本障害者スキー連盟/撮影:吉村もと)




オープンリレーは7位

日本は1走の男子立位、新田佳浩(日立ソリューションズ)が7位でつなぎ、2走の同座位、森宏明(朝日新聞社)で8位に下がったが、3、4走を務めた同立位、川除大輝(日立ソリューションズ)がラストスパートで逆転に成功。7位でフィニッシュした。タイムは24分44秒7だった。

1走:新田
1走として、前についていくことが役割だった。ワックスマンと話をして、極力グリップを少なくし滑走性でなんとかついていけて、最低限の仕事はできたと思う。誰かが諦めていたら、もう一つ順位が下がったかもしれない。思いをつないだ結果であり、今の日本チームにとって価値ある7番だなと、僕自身は思う。

2走:森
新田選手がキープした位置とタイムを、できる限り離されないように帰ってくることがミッションだった。シット(座位)の選手にとって、2走は立位や視覚障害カテゴリーの強敵ばかりだったが、3、4走の川除選手が諦めないくらい最小限のタイム差で帰ってくるという意識で臨んだ。「今のチームのベストを尽くす」という一点つかんだ7位。自分一人では決して見られない景色だった。

3・4走:川除
新田さんと宏明さんが流れをつくってくれたおかげで、ラストでポーランド選手を抜かして7位に上がった。もし、1人が数秒でも遅れたら出せなかった結果だと思う。前が徐々に詰まってきたので、仕掛けるならラストだと思ったので、体が動く限り動かそうと思った。「最後まで諦めない」という気持ちでただ走っていた。
なお、出場した7名全員が日の丸のシールを頬に貼って滑走していた。実は阿部が、「スキーは個人競技だが、リレーは唯一みんなで戦うレースだから」と、日本からリレー選手用に買ってきたものだという。源は、「阿部選手にシールを貼ってもらって、強い気持ちをもってスタートできた」と感謝した。ベテラン、阿部の心遣いも好走を後押しした。
(取材)フリーライター星野恭子)
(提供:日本障害者スキー連盟/撮影:吉村もと)

大会最終日の15日は20kmフリーが行われ、日本から11選手(ガイド含む)が出場し、男子立位で川除大輝(日立ソリューションズ)が44分11秒1で6位に入賞した。日本勢では最高位だった。
晴天つづきの毎日から一転、この日は雨交じりの雪が降る厳しい条件下でのレースになった。川除は29選手が出場したレースで最後にスタートし、ハイペースで前を追った。レース前半のチェックポイントでは4位につけていたが、中盤以降は徐々に順位を落とした。
「体の調子もよく、自分の中では余裕をもって滑り、後半上げるというプランでスタートした。実際、苦手なフリー(走法)でも自分に一瞬期待できたくらい、いいレースだった。でも、2周目くらいからがスキーがだんだん滑らなくなって、後半一気に離れた。本当に悔しい」
前半は上りで離されても、下り坂で追いつく滑りで、3位とのタイム差も詰めていた。だが、雨の影響で雪が一気に緩み、シャーベットのようなコースを滑るうちにスキーの滑走性が落ち、とくに下りで離された。フィニッシュ後は手袋を投げつけるなど、珍しく悔しさをあらわにした。
前回の北京大会では20㎞・クラシカル走法で金メダルに輝いており、今大会もメダル候補筆頭だった。だが、大会期間中、気温上昇によって雪が融け、スキーの先が刺さるほどのザクザクした雪質に苦戦した。出場した3種目では10㎞クラシカルでの4位が最高位でメダルには届かなかった。
「なんか、いろいろかみ合わなかった。天候とか今大会はいろいろ恵まれないなっていう気持ちと、走りながら自分に期待した分、最後は本当に悔しくて、手袋を投げちゃいました」と振り返った。
それでも、「自分の実力も確かめられた」とうなずいた。「10㎞クラシカルではグリップが合わないなかで4位に食いこんだ。この日も先頭集団で争うレースができた。自信につながる」と前を向く。今後は練習環境の見直しも行い、練習量や技術面の向上を図り、「4年後に結果を出したい」とメダル再挑戦を誓った。
男子立位では他に、新田が20位、佐藤圭一(ジェイテクト)が21位、岩本(啓)が24位に入った。同座位の源は21位、同視覚障害の有安諒平(東急イーライフデザイン)/藤田佑平(ガイド/スポーツフィールド)組は16位だった。
女子では立位の出来島桃子(東京品川病院)は11位、岩本(美)が13位、視覚障害の松土琴葉(北海道エネルギー)/嶋田悠二ガイド(九州大学)組が13位だった。
全レース終了後、クロスカントリースキーの長濱一年ヘッドコーチは7大会連続していたメダル獲得が途絶えたことなどに対し、「悔しいです。しっかり調整して臨んだが、我々の力不足。海外選手が上手だった」と総括。エース川除の結果についても、「全力を尽くしての結果。まだ若いので、いい刺激にしてほしい」と話した。今回は気温上昇による融雪に選手もワックスマンも苦しめられた。「人工雪がここまで融けるとは想定しなかった。今後は人工雪対策も含め、限られた予算のなかで強化を進めていきたい」。今大会の結果を受け止め、前進する力につなげていく。




(取材 :フリーライター 星野恭子)
(提供:日本障害者スキー連盟/撮影:吉村もと)



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